似ている苦手
地域振興のお祭りが、4年ぶりに実施されると言う。
コロナが落ち着いてきて(まだまだ感染者は多いようではあるけれど)、「数年ぶりの開催」という言葉をよく聞くようになった。
天気の良い土曜日、家族で覗きに行った。
4年ぶりとあって、企業テントもやる気満々。
人気の出店には行列ができている。
特設ステージではヒーローショーが開催されており、音響の大きさに会話もままならない。
闘うシーンや大きな音が苦手な娘は、ショーが怖いと怯えながら、屋台で買った大盛りの豚汁をほとんど1人で完食した。
私には1口だけ分けてくれた。
娘は、プリキュアなど所謂女児向け番組でさえ、闘うシーン、とりわけハラハラするシーンを苦手としている。
敵に必殺技を繰り出す戦闘シーンだけでない。
たとえ会話しているだけのシーンでも、ハラハラしたくないらしい。
例えば、作中で背景が暗くなったり、不穏なBGMが流れると
「この後そういう(怖い)展開になりそう」と瞬時に予測する。
テーブルに隠れながらちらっちらっとテレビを観ながら、「チャンネル変えて!!」と要求する。
物語のストーリーを理解し、展開を予測して、さらに対処するなんて、結構高度な技じゃない?え、天才?
と親バカなことを考えたり。
娘は他に漏れずプリキュア世代だが、母である私はセーラームーンで育った。
当時から推しは亜美ちゃんである。
(ちょうど今ヘアカラーが色落ちしてきて、亜美ちゃんのようなカラーになってきていて嬉しい)
セーラームーンの敵は今時のそれと違い、割とダークで怖く、それでいて美しいビジュアルをしていた。
私もセーラームーンのハラハラするシーンが苦手だったな、と思い出した。
主人公達のピンチになると、顔を両手で覆い、指の隙間から薄目を開けてテレビを観たものだ。
目を隠してる意味全然ないけど。
「セーラームーン!今よ!」のセリフで勝利を確信すると、手を元に戻し目を見開き、一緒に必殺技を唱える。
ムーンスティック、買ってもらったな。
毎回正義は美しく勝つのだ。
娘も私も、ビビリで気が小さい。
似てないところも多いけど、似てるところもたくさんあるんだな。
かけられてきた言葉や環境は違うのに、不思議だな。