おじさんと秋の空
空は秋晴れ、今日も散歩日和。
近所の遊歩道には木漏れ日が差し込み、歩くだけで心地良さそうだなあ。
普段あまり通らない道だけど、行ってみよう。
遊歩道の先には、高台へ上り下りするエレベーターが設置されている。
階段や坂道もあるが割と急なため、この4〜5人程を運べる、小さめのエレベーターを利用する高齢者が多い。
ほら、今も列になってエレベーターを待つ人たちがいる、、
ん?なんか揉めてるっぽい。
ドアの開いているエレベーターの中に、おじさんwith自転車(Aさん)が1人。
そしてもう1人のおじさんwith自転車(Bさん)が、強引に一緒に乗り込もうとしている。
そして2人はおそらく他人。
いや、どう見ても無理じゃん。
Bさんは、自分も自転車も半分以上外に出ている。
Aさんwith自転車とBさん単身なら一緒に乗れる余地はあるだろうけど、自転車も一緒にはどう考えても無理っしょ。
待とうよ、多分だけど2分も待てば乗れるよ?
という状況。
Aさん「無理!」
Bさん「え??」(たぶん天然)
Aさん「無理!無!理!」
Bさん「え???」(間違いない天然)
歩くスピードを緩め横目で見ていたところ、上記のとおり不毛な会話を繰り返しており、まるでベタなコント。
ちなみに、揉めてるAさんBさんの後ろにもう1人おじさんwith自転車(Cさん)が順番待ちしていた。
Cさんは少し離れた位置から事の端末を静観していたけど、あなたも早くエレベーター乗りたいなら声かけてあげれば良いのでは。
それ以上見ていると私も変な人になってしまうと思って名残惜しくも通り過ぎてきたけど、決着ついたかな。
私がBさんに「無理だから次待ちなよ」って声をかけてきたらよかったかな。
遊歩道を進むと、保育園のお散歩に出くわして一気にニコニコしてしまった。
そしてさっきの出来事を思い出す。
人は年齢を重ねると、角がとれて丸く穏やかになるタイプと、凝り固まってガチガチになるタイプがいるよなあと。
もちろん両方を兼ね揃えている人も大いにいるだろうし、両方とも当てはまらない人もたくさんいるだろう。
AさんとBさんがそれぞれ、普段どんな人物かは知らないが、私の未来はきっと後者に近いと予想する。
そして噛み締めによる摩耗で削れてきている奥歯は、ミチミチと音を立ててさらにすり減っていくのだろう。
、、将来のために、私もマウスピースを真剣に考えるべきか、否か。